H145 L.S.D.組み込みファイナルギヤ交換


完成!
バックラッシュ数値、歯当たり、誰に見られても、どこのプロに測定されても これ以上は無い!に組み上げてあります。
H145 LSD付きアルミデフAssy総重量=9.6kg。LSD無し標準アルミデフは8kg台。因みにH165鉄デフLSD付きが約19.0kgですので、いかに超軽量かがお分かり頂けるかと思います。
50年前はアルミで軽量化を図り、燃費の向上と操縦性&運動性UPを狙ったと思いますが、強度、剛性不足と言う風評被害?で鉄に移行して行ったと想像します。もったいない、H145に限らず全てのH型デフにアルミデフキャリア設定を残してほしかったです

マグネットベースがデフに付かない 50年物の歯当たり、上出来でしょう?
バックラッシュ数値OK、歯当たりOK、しかし H145LSDならではの洗礼が待ってました。H145LSDは歯当たりチェック画像に写っているように、LSD本体にピニオンギヤが当たり斜めの傷だらけに成るのがほとんど、TSサニーを、H145LSDを知り尽くしているオーナーであればこのまま納品し何の問題もありませんが、預かった時点でのH145LSDは無傷。ちょっとモガイて見ますが他のH145LSD同様、斜め傷のクリアーは無理を覚悟しておいて下さい。組み込み装着後、接触による異音は聞こえませんし走るのに問題は全くありません。レース用ではありませんので次にデフを外すのはたぶん?数年後、外した時に斜め傷を見て、ア・ア・そう言えばLSD組み込んでもらった時コ〜なるって言われてたな、と、何も聞かされず斜め傷を見るとでは天と地の差ですからネ。多くのTSサニースペシャリストが見ているであろうココのページを利用し、公の場で書き込んでおきます
背面研磨でボルト底付きギリギリ
1.3mmワッシャーで余裕を持たす
整備要領書どうりのトルクレンチではダメ
H型デフスペシャリストの長年の勘が全て
勘だけで代金を支払うお客に納品はできない
数値はドンピシャに合わせてあります
この画像の前にネジロック剤を塗らずリングギヤボルト2本仮止めしデフキャリアに収めスムーズに回転するのを確認。測定は正確なはずでも、コンマ数ミリ研磨量が足らず、再研磨に出す事も覚悟はしていたが、ドンピシャだったので仮組みでホッと胸を撫で下ろしたところ。 いよいよ本組みに入ります。

まぁまぁ予定どうり?リングギヤ背面研磨が仕上がって来た。一般常識を兼ね備えた普通の整備士や、ディラー整備士では怖くてやれない研磨量、その前にやろうとする気さえ起きないでしょうが、、、オーナー様には後で教えます。ピットロードはもっと危ない事やってますので たかがリングギヤの背面をいくら削ろうが真っ二つに割れる事は有りませんから大した事じゃあ無い。遊びは何でも危ないから楽しい、TSサニーに比べれば、町中を車検ナンバー付きで走る車に危険な事をやってる内には入らないレベルです

外したスペーサーを使いピニオンギヤを仮組み。リングギヤを付ける前にLSD単品でキャリアに仮組みし回りをチェック、ちょっとキツク回りが重いのでリングギヤ取り付け後、バックラッシュ調整方々調整シムを1枚抜きましょう。 後はリングギヤ背面研磨納品待ち。自分の会社の仕事の段取りばかりで弊社の都合を考えない内燃機屋、早く持って来い、さすがに大晦日に持って来たら殴るぞ!(笑)

だいぶ前からこの形には出来ましたが、この状態から1ケ月近く待たせる訳には行きませんからネ。一番 面倒で時間が掛かるデフキャリアのレストアはだいぶ前に済ませておきました。私の測定がドンピシャならリングギヤ届きしだいスンナリ組み上げ完了するはず、もう少々お待ち下さい。

何をやってるのかと言うと、アルミデフのサイドB/gを外し調整シムを取り出してます。日産純正部品が生産廃止でなければこんな事しなくても済むんですけどネ。サイドB/gはお客様が持ち込んだ新品。調整シムを入れ新品B/gを圧入し形にしました。

ピニオン調整ワッシャーも必要になるのは分かってますからアルミデフのピニオンリヤB/gを外し確保しときましょう。 ん?調整ワッシャーが付いて無い、、、って事は・・・ピニオンB/gのカラーを外すと、出て来ました調整ワッシャー、H165アルミデフと同様、ココで調整するんですネ。今では考えられませんが50年前は当たり前だったんでしょうネ。
インターネット作業進行状況UPは、依頼者に楽しんでもらう、不特定多数のアクセス者に見てもらいデフ・オーバーホール依頼勧誘するだけで無く、旧車は生廃パーツが多いので このように手間が掛かるので割高となります、を、依頼者に伝えるのにも利用しています。
(左)鉄デフはコラプシブルスペーサー
(右)アルミデフはソリッドスペーサー
組み上げ完了後、0.0?mmのため再び
全バラにし、このシム調整できるメカは?

年内にはリングギヤ加工が仕上がって来る予定なので組み込み準備を始めます。まずはLSD本体、何もリクエストはされておりませんがオーナーと歳が近いので求めている物はだいたい想像がつく。ただLSDが付いていると言う ほとんど効かないのは嫌、だからと言ってドリフト、サーキット走行する訳じゃあないので車庫入れにまで苦労するバキバキ仕様も嫌。普段は快適に、ここ1発!のアクセルONの時だけ抜群の効き味がベストだろうが・・・そんな都合の良い設定には出来ません(笑) シム厚みを何度か替えチョイ悪おやじ仕様にしました、イニシャルトルク○○kgm→○○kgm変更数値は納品時にコッソリお教えします

お客さんのお宝になるであろうH145 3.9 ファイナル。採寸は済ませたので来週月曜日早々にリングギヤ背面研磨に外注依頼します。

最初に持ち込んで来た時、私の目利きミスで作業進行タイムラグを生じさせてしまったので、二の舞を繰り返さぬよう今回は預かったその日に分解。外見の程度が良くても中味のプレートが1〜2枚欠けているかもしれませんからネ。大丈夫です中味も程度良いです、1枚々摩耗をダイヤルゲージ測定で確認し、有る状態の中でのベストで組み上げます。

持ち込んで来たのが左側、右がNISMO H145LSDの蓋だから、サイドベアリング圧入部が痩せてズルズルか、長年の酷使に耐えられず折れたかで蓋だけ新規制作したんでしょう、綺麗に出来てます。一応イニシャルをチェック、ちゃんとLSDになってます。

H145LSDなんか ソ〜簡単に見つかるモンじゃあ無いからしばらくお預けだろうと予想してたらお客が持ち込んで来た、早ゃ!

オイ・オイ・オイ・程度良過ぎるんじゃあねぇか?H145だぞ! オークションには出てなかったから、B10オーナーズクラブみたいな気持ち悪い?(笑)集まりから情報得て来るんだろうか? マァ・・・気持ち悪いのはどの車種でも同じだろうが、、、何はともあれお見事!

お客様、悲しいお知らせです
持ち込んで頂いたL.S.D.はH145では無くH150 L.S.D.でした、加工・改造しH145デフに付ける事は出来ません。普通の旧車ショップであれば『持ち込んだお客が間違えたんだから・・・』の会話で済むでしょうが、ココはA型サニー専門店を豪語するピットロード、お客さんが持ち込んだ瞬間に測定もせず『コレはH150 L.S.D.ですからH145デフには使えません』と言わなければいけませんでした、言い訳は数年間H145 L.S.D.を見ていなかったのと、デフキャリアには組み込まれて来ませんでしたが、同じ箱に入っていたピニオンギヤに付いていたコンパニオンフランジがH145だったので、H145 L.S.D.と決め付けてしまいました、申し訳御座いませんでした。

対策−1、見つかるまでH145 L.S.D.を探し続け、アルミデフキャリア+3.9ファイナル+H145 LSDの理想は一切曲げない。 対策−2、 H150 LSDを優先させ、ピットロードの中古パーツに有る H150 3.9ファイルデフに組み込み装着する、デフスペーサーとプロペラシャフトの2点が別途必要、B10とB110のプロペラシャフト長が同じなら310プロペラシャフトが使えます。 対策−3、B10に拘りのH145アルミデフは譲れないのでLSD無しで3.9ファイナルだけ組み込んで装着。

現在、デフを外し走れない状態では無く、走れる状態ですので決断を急ぐ必要は無いんでしょうネ、ジックリ考え、溢れ出る涙が止まってからお電話下さい、決して私の胸倉を掴みに来ないように(笑)。
思い起こせばH145 LSDって こんな新しいっぽい形じゃあ無く、なんじゃあコレ?って声出しそうになるシーラカンス?見たいな今時見ない形だったよナ・・・

H145オイルシール入荷
右の写真が現在日産部品から出るH145パーツ3点。ピニオンギヤB/gフロント 4.840円、ピニオンギヤB/gリヤ 2.540円、スペーサー 1.910円。日産部品特有のビニール袋が汚ない長期在庫なのに約4倍のお値段、旧車オーナーは出るだけマシと思うしか無い。
左の写真のサイドベアリング2ケがお客様持ち込み。デフパッキンと今回の再々生産OILシールの2点はBproject商品。ピットロードが使うためにリクエストしましたので全部コッチで買い取ってもかまわなかったし、半分々在庫でもこちらは良かったのですが、全部Bprojectが買い取ってくれました。私だったら買う人間は限られてるとは言え、もうどこにも売ってないのだから日産部品の4倍に負けず、5倍、10倍で売る事考えますが、1個1.000円にしようかな?などとほざいてました、デフパッキンも1.200円と日産部品に比べれば激安、サニー1000、B10 好きなのかな? イイ奴ですよネ

H145デフOILシールが国内に届いたとのメールを受信したので、貴重な3.9ファイナルギヤを鉄デフから外します。依頼者は誰でも自分がリクエストしたアルミデフに3.9ファイナルを移植しH145 LSD装着が図柄として浮かんでいると思いますが、ヤル側は、やはりアルミデフには移植出来なかった、届いたOILシールはサイズ違いで使えなかった、と常に悪い方にしか考えられないモンなのです。お客さんは嫌でしょうが、3.9鉄デフにH145 LSDを付けるだけも こちらの視野には入っております。なので鉄デフキャリアからOILシールを外すのは届いたOILシールをアルミデフに仮合わせしてからです。慎重と言うより もうパーツの無い旧車はこうしかヤリようがありませんよネ

アルミデフは全バラ済みなので、外した鉄デフのピニオンギヤとバラしていないリングギヤを、奇跡を期待しアルミデフキャリアに収めて見ようと試みたが・・・残念ながら漫画のようには行きませんでした(笑) やはり2.0mmくらいリングギヤ背面研磨かな?

まだ目の前に届いた訳では無いので絶対は無いがOILシール入手出来そう。海外からなのでサイズ違いが届くとショックが大きいので現物を外しサイスチェック


H145デフは生産廃止パーツが多過ぎ、中古パーツ入手困難のためネットからの依頼は部品が無いからとほとんどお断りしています。
お客さんが持ち込んだパーツは左から、H145アルミデフ4.1ファイナル 重量8.0kg。H145L.S.D. キャリア無し4.1ファイナル。H145鉄デフ3.9ファイナル 重量11.0kg。の3点。ハイギヤード3.9ファイナルにLSDを組みたいとの事なので、鉄デフにLSDを組めば終わりなのだが、3kg軽いアルミデフも生かしたいのがお客様の希望。一見簡単に出来そうだがアルミデフと鉄デフは水平オフセットが異なるため互換性無し、普通のクルマ屋に依頼すれば付きませんで終わり。普通のクルマ屋では無く、変なクルマ屋だからド〜にかしてくれるだろう?で持って来たんでしょうからやって見ましょう。アルミデフと鉄デフを測定し比べ、たぶん?リングギヤ背面を2mmくらい研磨すれば収まると予想。アルミデフH165orH190がそうですから。組み込んで危険も、壊れる事も有りませんが、ネックはデフギヤ唸り音でしょうネ、何も余計な事やらずセオリーどうり組んでも50年物、数十万キロ走行しているであろうギヤから異音が出ても仕方ないところ、改造組み込みですからリスクは高まります。私が出来るのは、測定・加工・組み込みしバックラッシュ数値を規定内に収めるまでです、使い込んだピニオンギヤ&リングギヤの音色調整までは出来ません事をご理解・ご了承の上ご依頼下さい。

私の口癖、言い訳 1ツ目 40〜50歳のオバさんに厚化粧を施し旧車好きの男を騙す事は出来ますが中味までAKB48にする事は出来ません。2ツ目 私はチューナーでは有りますがマジシャンでも神でも有りませんのでお客様の夢を全て叶えてあげる事はできません。3ツ目 パワーも、速さも、格好良さも、愛までも全て金で買えます、金で買えないのは若さと寿命だけ。

作業着手は10/23筑波レース後、数日経過してからになります。お待たせしますが宜しくお願い致します。


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