直結5速ミッション オーバーホール&レストア
東京都


2020.12.17 着 → 12.28 返送
トランスミッション梱包・発送なら 破損せず無事届けばOKだろうがコレは荷物じゃあ無いPitroadの作品!
オーナーにとっても大切なオモチャであり宝物、格好良い荷姿で届けたい。


完成
画像修正はしておりませんが写真はボロが隠れちゃいますので現物は写真より見栄え悪いです
交換部品はボルト1本、ナット1ケまで全て同封し返送しております


本体組み上げ完了
メインドライブギヤのコーン抜け以外、残念ながら?特に悪い所は無かったです。O/H依頼時の特別事項は ドレンボルトなめ、停止時に R−1stと2rdの入りがイマイチ。バックギヤ入り悪し は分解前に説明したとうりです。停止中の1速、2速入り悪しは 画像添付でレポートUPしたように1st〜5thシンクロ機構 全て 分解・点検しましたが異常は有りませんでした。直5に採用されたサーボシンクロは ミッション内部でスムーズにスライドするワーナーシンクロと違い、シフト開始→サーボシンクロに当たり→押して→縮め→シフト完了 となりますので抵抗が生じます。お預かりした56Aはサーボシンクロ摩耗が少なく程度良かったですが年数経過の劣化で“張り”が弱いため抵抗が少なくコレでもサーボにしてはスムーズに入る方です。“張り”が損なわれていない新品サーボシンクに代えたと仮定すると 遥かに抵抗が増しますので サーボシンクロシフト未経験者には更に異常に感じると思いますがコレが正常です。レポートUPしましたよう程度良いシンクロをより新品に近ずけるべく 摩耗が少ない側を使うよう裏返しにシンクロを組み直しました、アレ?オーバーホールに出したのに前より停止中のシフトの入りが悪くなった?と感じたら 新品シンクロに近づいた、と言う事になります。
コンニャクに箸をオッ立てたような最悪シフトフィーリング56A、グニャリと気持ち悪く入る1速シフト。どちらも 56Aワーナーシンクロkitへの変更で普通のシフトフィーリングになりますが、オーナーが選択したのは標準装着サーボシンクロ。昭和の懐かしいシフトフィーリングでお楽しみ頂ければと思います


お預かりした直結5速ミッション データ
ギヤ比
. 1 st 2 nd 3 rd 4th 5 th Rev
B110 3.757 2.374 1.659 1.254 1.000 4.040
B210 1.291
R 2 4
| - | - |
1 3 5
ギヤの歯数
. . 1 st 2 nd 3 rd 4th 5 th
B110 M 32T 28T 25T 23T 19T
C 18T 18T 23T 28T 29T
B210 M 22T
C 26T
旧車はどれも 中身に何が付いているのか?を知っとけば 壊れた時の部品調達が便利なので オーバーホール方々 何が付いているか?チェックしときます。普通のショップじゃあ興味の無い ギヤ比も確認、お伝えしておきましょう、専門店ならではのメリットの1ツでしょうからネ。直結5速はB110とB210の2タイプが存在し コレはB110用でした。4速メインギヤが欠けたらB210用22Tじゃあ使えずB110用23Tが必要ですヨ、と言う事ですが、 どのオーナーも 壊れたら ミッション丸ごとPitroadに出せばイイや、で 聞いてませんけどネ(笑)

Pitroadに入庫する56/60は全てクイックシフトが簡単に装着出来るよう加工して納品しています。オーバーホール後、オーバーホール前よりシフトフィーリング向上しましたら ご購入 ご検討下さい。
QUICK SHIFT


ミッションケース レストア
元がゴミ状態だったからこんなモンかな?レストアする側は中途半端に綺麗なのでもゴミ状態のでも手間は大して変わらない と 言うより 依頼T/M 1基々レストアに費やする時間はどれも同じなので ゴミ状態はそれなり、最初から綺麗なのは より綺麗に仕上がります。
車検・ナンバー付きA型サニーオーナー達のミッションオーバーホール依頼は 最初で最後がほとんどだと思います。何でも 誰でも 初めての時は解らない事だらけで当たり前。Pitroadユーザーの50%がストリートチューンユーザー、残り50%がTSサニーユーザーです。TSサニーオーナー達から汚ねぇミッションが送られて来る事は無い、届く56Aの どれもが 『どうだPitroad!お前ぇのトコより綺麗だろ?!』と 威張ってます(笑) 反面 ストリートチューンユーザー達から送られて来るミッションは99%ゴミ状態。ストリートチューンユーザー達に TSサニーオーナー達のように綺麗にして送れと言ってる訳じゃあ無い、車検屋、ディーラー お客に優しいクルマ屋しか知らず、イイ歳ぶっくらかし もう人の言う事聞けなくなったオヤジ達に“馬の耳に念仏”は 解ってる(笑) 求める方向性は違いますが 楽しい旧車遊びである根本は同じ、何か?感じ取って頂ければと、記して見ました


ミッションケース レストア
TSサニーもだが、ストリートチューンにまでこんなに56/60ミッションオーバーホール&レストアが流行るとは思わなかった。コ〜成ればイイな♪とは思ってましたが予想を遥かに上回る盛況ぶり。
Pitroad戦略が当たったのも有るがサニーの5速ミッションが他の旧車と比べ激高なのが流行りに拍車を掛けてるんでしょう。昔、解体屋で1〜2万で買えてた頃 大金掛けてオーバーホールする人は居ませんでしたから。
若人のクルマは離れは進んでるようだが 現在のPitroadストリートチューンユーザーの平均年齢は50歳前後、TSサニーレースユーザー平均年齢60歳前後なので関係無い、イイ歳ぶっくらかしたオヤジ連中、子供も片ずき 暇と金もて余し クルマとは呼べない1/1サニー玩具に夢中!良いカモです(笑) 昔のサニトラ乗りは5万円で買って来て5万円しか使わない大嫌いなお客でしたが、今は好きです(笑)
最近はサニトラだもん、ド〜せ見えなくなっちゃうミッション綺麗にする必要ねぇだろう?とは 自然と言わなくなりました(笑)


synchronizer
直結5速 標準サーボシンクロのメインディッシュ?シンクロ部分のオーバーホール。コーン、シンクロリング、アンカーブロック、ブレーキバンド、スラストブロック、クリップで構成されており、クラック or 欠けが無いかを点検します。幸いクラック、欠けは有りませんでしたが、直5ならではの たまぁ〜に見かける メインドライブギヤのコーンがユルユルで手で外れちゃいました。サニー専門店Pitroadは中古メイント゜ライブギヤを在庫してますが、普通のショップじゃあ持って無いでしょうし 直しようが有りませんからこのままかな?このままでも大丈夫と言えば大丈夫、オーナーも今まで5速シフトしても気ずかなかったでしょう? ギヤの入りは変わらず 抜く時多少違和感が有ったかとは思うのですが、他の直5と比較出来ない一般の人は古いミッションだから こんなモンだろう?で乗り続けると思います。因みに中古パーツページ → 直結5速ページに掲載してる『メンドラ MD=19T 15.000円』 替える、替えないは依頼者の自由です。
クラック、欠けが無かったからと このまま組み上げるんじゃあ その返のショップやクルマと同じ、専門店F5C56Aスペシャリストの反則技を盛り込みます(笑) サーボシンクロはタイヤの片減りと同じようにシンクロが片減りします、1回だけですが裏返しに組み込代え片減りしてない方を使えるようにします。シンクロ摩耗は2速と3速がほとんどなので、5速← →2速、4速← →3速、1速のみそのまま裏返し、と 凝ったローテーションで組み上げます(笑)
昭和40年代の日産車はサーボシンクロが多かったです、フェアレディSR311やS30Z、ハコスカGTRなど、サニーはこの直5のみ。なぜ?直5にサーボシンクロを採用したのか? シンクロは別名ブレーキバンド、ブレーキの効きが良いとされていたサーボを採用しギヤの入りを良くする!が目的でしたが 設計・開発者達の思い込みは間違えで 失敗作?、この後サーボは全て消滅しワーナーシンクロへ移行して行った歴史が物語ってますよね? シンクロ機構のみならず昭和40年代の日産車の象徴がローバック5速ミッション! 冷静に考えればゴミシフトですよね? 当時 設計部長が怖くて誰もローバック5速廃止にしません?って言えなかったんでしょうね?(爆)
最悪シフトフィーリング、すぐ壊れちゃうガラスのミッション、日産車に異常愛持ってる人しかシフトしたくないローバック5速、何1ツ良い所が無いのに日本はおろか世界中で大人気の直結5速ミッション、出来の悪い子ほど可愛い じゃあ片付けられない このミッションの魅力は何なんでしょう? 出会ってから早半世紀、Pitroadは まだまだ この直結5速ミッションのお世話に成って行くでしょう・・・
ワーナーシンクロ / サーボシンクロ ギヤからコーンが分離


とりあえず全バラ。奥の奥はこれからですが、この時点で アッチャー! は無い 残念(笑) 残念の理由は オーナーと違いメンティナンス側は 前とは比べ物にならないくらい良くなりました! と言われたいもの、シフトフィーリングに直接関係するシフトフォーク摩耗などが出て来ると、ヨシ!このお客は Pitroad宗教 入門間違いねぇな? と 思わずガッツポーズ しますヨ(笑) そ〜言う意味での残念です
標準サーボシンクロでのオーバーホール依頼で受け賜わりました。旧車は新車のままを保って遊ぶのが醍醐味。イヤ!見えない性能に関する箇所はバージョンUPすべき。どちらも正解、不正解は無く各オーナーの自由。Pitroadもサーボシンクロは嫌いでは有りませんが、半世紀前のシンクロ機構ですので シフトフィーリングは何をやっても良くは成りません事はご了承下さい。

オーバーホール依頼の動機に成ったのであろう?ドレンボルトなめ。直5ドレンボルトが新車のままを見た事は1度も無い、締め過ぎでは無く 完全に設計ミスですネ。56A強化センタープレートに交換します。


リバースギヤ
オーバーホール依頼事項の中に バック← →1速、2速の入りが悪いとの事ですので バックは分解前に解るので説明しておきます。左の画像がお預かりした56Aのバックギヤ、上側がバックギヤで下側がこのギヤを駆動させるためのギヤです。右側の画像が弊社在庫分のバックギヤ。右の新品同様に比べ左はだいぶ摩耗してるのが解ると思いますが56Aではこの摩耗でも程度が良い方。酷いのはギヤ全体の50%くらい摩耗で無くなってしまっているのもザラです。
この比較画像だけで 俺のバックはマシな方なんだ?がご理解頂けると思います。昭和47年デビーのローバック5速56Aと昭和53年デビューのローバック5速60Lに この特殊なバック機構が採用されましたが、ダメ機構のため その後の日産マニアルミッションに使われる事なく消えてった失敗作ですので、F5C56Aバックの中では自分のはマシな方、このイマイチのバックシフトが旧車の味なんだ?と 以降 楽しみながらバックシフトして行って下さい。
5速ミッションですので5個シンクロが付いている中、1速だけ誤シフトせぬよう入りずらいシンクロ機構になっているのですが、停止中との事ですので コレとは違う要因と考えられますので 2速を含め 分解時に確認して見ます。


オーバーホール可能か?をチェック
直結5速ミッションは通称ガラスのミッションと呼ばれギヤの歯欠けは日常茶飯事。オーバーホールでお預かりした作業着手は通常 数日後だが 遅れる場合もある。だいぶ経ってから ギヤに歯欠けが有り 部品を見つけないとオーバーホール出来ません、ではイメージ悪いので、直5は 可能な限り 預かった当日に中身をチェックするようにしてる。今回も何とか当日チェックでき、ギヤ歯欠け無しの報告方々 お見積りをメール送信。
作業着手は来週からで 年内納品予定で進めますが 何が出て来るか分りませんので絶対は有りません。


2020年12月17日(木) 入庫