Pitroadメンティナンスレポート


#56 AUTO TECHサニー




#120仕上げ、こんなモンかな?ポート研磨ばかりは どこかで線引きしないとキリが無いからネ。6/5 2度目の内燃機加工依頼、シートリング入れ替えシートカット、ガイド入れ替えリーマ合わせ、マニホールド面最少研磨、ヘッド面研、ブランクバルブ ステムカット&コッター溝切り加工。パーツはUSAのレース用バイク屋からの輸入品、安くて精度、強度OK、日本のパーツはどれも高過ぎ



5/26 外注 機械ポート研磨 納品


4/28 内燃機屋 加工引き取り

4/23 A型シリンダーヘッド到着






アルミデフO/H
H165
せっかく綺麗にレストアしても 使い回しの小汚ねぇダンボールで送っちゃあ全てが台無し。綺麗も大切だが 格好良さ重視の梱包。
届いた時 お客が喜んでくれれば も有るが、スペアデフをサーキットに持って行く時に活用下さい。サービスカーに積みっぱなしじゃあ無くピットに置いとけヨ、Pitroadの宣伝になるから。本当の目的は 次は自分でオーバーホールして見ようかな? などと余計な事考えず、このケースに入れて次も依頼しろ!梱包手間いらずのこのケースに入れ発送し 金さえ払えば楽出来るぞ!の 横着誘惑ケースなんです(笑)

完成
総重量13.8kg、鉄デフより5kgも軽い 正にレーシングパーツ
コレって・・・レポートUPしてるからお化粧に手間暇掛けてる、ってのも有るけど、自分の作品!って思い入れが強いもんだから隅の隅まで、、、コンパニオンフランジはもちろん新品。依頼者が『性能変わりませんよね?古いの掃除して付けといて下さい』って言ったら 殴ると思う(爆)

普通に走っていたサニトラのデフを外し、新品ファイナルギヤsetと新品LSDを組み込むのは簡単、楽勝です。半世紀前のデフキャリアに、そのキャリアに付いていた訳では無い 使い込んで摩耗している並歯型ファイナルギヤとの組み込みは 全く別次元の作業と捉えて下さい。何度もH165アルミデフを行い 慣れているピットロードでも 通常のH型デフオーバーホールの3倍は時間掛かるかな? X3倍の工賃請求はしておりません、TSサニーに1台でも多くアルミデフが装着されるよう 通常価格で受け賜わっております。


0.5mmスペーサー
通常のH型デフオーバーホールで有ればほとんど無い事だが、古い々ギヤと古い々デフキャリアを組み合わせて行くとサイドベアリングの奥に位置する調整シムが全部片側に寄りバックラッシュ調整が出来なくなる状態によく陥ります。このスペーサーをリングギヤとLSD間に挟み調整シムを左右に振り分け 正確なバックラッシュ数値を狙います


ピニオンギヤ突きだし量をワッシャーの厚みで調整します
0.03mm刻みに t=3.09〜t=3.66 20種類の中から選びます。0.03mm狂っていたとしてもデフは正常に作動します。感情有る人間がやりますので、まぁ・・・こんなモンかな?が最終仕上がり。こんなモンかな?は数値には表わせないメカのモラル、私のモラルが○か?×か?を決めるのは依頼者になります
とりあえず仮組みします
同じH165とは言え 全く違うキャリアと合体させますので とりあえず収まるのか?の確認。奇跡が起き 1発でドンピシャ!を 夢見るほど若く無いです(笑)
仮組みしたがスムーズに回らないので再度取り外し。何はともあれ収まったのと、どこにも干渉しなかったのでマァマァ、この後 ピニオンギヤ脱着、サイドベアリング脱着を繰り返しベストクリアランスにするのがH型デフです。
TOMEIパワードを筆頭に 工賃表を掲載してる所はどこもH型デフのオーバーホール工賃が高いのはご存じでしょうか? スカイラインやフェアレディZのR200デフより だいぶ高額なのが このレポートで少しお分かりになるかと思います。このH型デフから比べるとAE86デフ&LSDは超簡単!ポツリポツリとですが、AE86は出来るんですが、、、の全国のショップからH型デフの依頼が来るくらい H型は今の時代にそぐわない整備性最悪デフ。だから年寄りメカが生き残れてると感謝してます(笑)

DIFF CARRIER
デフキャリアに“W”の刻印有りが高歯型は知ってるよね?並歯型デフキャリアとの違いはリングギヤボルト側のキャリア内側形状が少し凹んでるだけ。ピットロード以外の所はあまりヤラないだろうが、要は並歯型デフキャリアに高歯型LSDを組むとリングギヤボルトが当たってしまう事が有りますよ、って事、ボルトもM11ツバ付きのぶ厚いの使ってるしね、他は同じ。
アルミデフも高歯型LSD組むのでリングギヤボルトが当たります。当たる所をサンダーorリューター等で削ります。削り量はほんの僅か 強度を損なうほどでは無い。リングギヤボルトは日産M11ツバ付きぶ厚いのでは無く、薄いトヨタM11がお勧め。コレには最近ワンオフ製作したM11→M10変換リングギヤボルトを使う。



LIMITED SLIP DIFF
高歯型LSD持ってるって言ってたけど アルミデフ組み込み用にTRD改H165 LSD買ってもらった サンキュー♪
基本 ニスモH165 LSDと同じだが、TRD製は溝有りLSDプレートなので、ニスモH165 LSD特有の醜いチャタリング音がしないので私好み。性能は変わりませんがフィーリングはコッチの方が良かれかと思う。LSDプレートは互換性有りなのでピットロードで組むNISMO LSDは全てTRD製溝有りプレートに替えてる。
大切なイニシャルトルク。皆 何kに設定してる? こんなモンかな? 俺はもう少し強目がイイ、もう少し弱めかな? ちょっと言葉は悪いが適当 デタラメがほとんど? ウチで組んで渡すのは TSサニーでポールtoフィニッシュしてるイニシャルトルク、ウチで買うと参考書が付いて来るのと同じ、ウチでLSDを買う大きなメリットだと思うので記しておきます

NISSAN genuine part
H165デフパーツは常時全て在庫してますので、欠品パーツでお待たせする事はありません

H165 Aluminum Diff
アルミデフってH165はH165なんだけど 実際に分解して見ると・・・昭和を感じる古い々ベアリング、ボルト、ナットで構成されており、コレ見ただけで大丈夫だろうか?と不安がりながらベアリングカラー外すと調整シムが3〜4枚出て来て ココでピニオンギヤ調整するのか?と心が折れます(笑) サイドベアリング脱着を繰り返してのシム調整も昭和の造り。ダイヤル式が当たり前に慣れたメカには 技術では無く ヤレって言う方が精神的に無理(笑)
組み上げて飾っとくヒストリックカーパーツでは無く、ラジアルスリック履かせ富士スピードウェイ、筑波サーキットを走る デフ& LSD。現在入手可能な最新パーツに総入れ替えし組み上げます。

TS sunnyチームからH165アルミデフ オーバーホール依頼
4.625ファイナル組み込みだから10月の筑波戦に使うのかな? まだ先だけどTSサニーメンティナンスは早いに越した事は無いので届いたその日に作業着手。
H165並歯型4.625ギヤset+並歯型LSDを H165アルミデフに移植が今回の依頼。H165アルミデフは並歯型以前の旧型に属するため水平オフセットが異なるため無加工での移植は出来ません。リングギヤ背面を約2.5mm前後面研すれば装着できるが理屈だが、現実は研磨量が2.6mmで有ったり2.4mmだったりするため、工作機械を所有している所で有れば良いが、面研を外注依頼する所ではちょっと無理が有る。研磨後にリングギヤボルト底付き対策加工、その他も有るしね。
並歯型4.625ギヤsetはそのままで、2.5mmオフセットしている高歯型LSDと組み合わせるのがH165アルミデフ完成形のベスト。今回の依頼者もプロだが、初めてで 全くのゼロから形にするのは至難の業。部品は何を持っていれば良いのか、どの組み合わせなら可能なのかを解り易くレポートUPして行きますので参考にして下さい。