#16 臼井自動車サニー
クロスレシオスパーギヤ新規組み込み


Pitroad 56Aフルオプションパーツ組み込み完成
光らせ過ぎず、塗装もせず 渋く メンティナンスが行き届いたレーシングミッションに見えるように、素人が見て コレはノーマルじゃあ無いんだろうな? に 見えるよう何時もコーディネートしてるつもり、成ってますでしょうか?このサニトラ最終後期型のお釜を使いPitroadクロスレシオスパーギヤを組み込むのが私の好きなレイアウト。今までもInfinityチームを筆頭に多くのTSチームに同仕様で納品して来ましたが、臼井選手は新しいベースを使い より綺麗にするより 多少ヨレてても当時物への拘りの方が強く見受けられたので 指示どうり組み上げて来ましたが、今回は特にリクエストが無かったので Pitroad好みに仕上げて見ました、いかがでしょうか?


左が臼井選手が持ち込んだベース56Aのお釜、クラッチワイヤー穴が大きい方だからB210用かな? 右が56Aでは一番新しいお釜で 平成のサニトラに装着されていた最終後期型。見分け方は 最終後期型の方は両サイドのリブを大きく張り出させ剛性アップを図って有ります、このように2ツを並べれば違いが解りますよね?見えない所ではメンドラベアリングをセットする時 ケースを温めないと入りずらく ココも剛性アップを図ってあります。 一番は何と言っても鋳造精度の違い、昭和に製造されたB110用と 20年の時を経て新たに型から起こしたサニトラ後期用との違いは一目瞭然、レストアベースには最適! しかし 新しいとは言え30年物、スポーツカーでは無いトラック用ミッションとして使われて来た56Aは どれも程度極悪、それでも半世紀前のB110用よりは遥かにマシ。汚れはイイんですが、ドレンボルト締め過ぎによるクラック入りのお釜に巡り合ってしまった時は残念、アルゴン溶接補修すれば大丈夫なんですが、レストアベースとしては価値は下がります


リヤEXテンション フルオーバーホール完了
シフトレバーが刺さる所の部品名称がストライキングガイド。ココに付いてるOリングとOILシールを交換するためガイドを脱着。2点とも半世紀に渡りそのままでしたので ゴムの役割を終えカピンカピンでしたので新品に交換。リヤケースに圧入されているニードルベアリングは再使用可能でしたが コレ1個交換しないためにベアリングオール新品にはなりませんから、気分良く使い続けて行く上で新品に交換しておきました。オーナーのリヤケースオーバーホール選択は正解だったと思います。
写真写りは綺麗に見えるでしょうが 現物は 画像修正はしておりませんがイマイチ。汚れが一重では無く 地層のように積み重なっており 地層剥がしに一皮では無く二皮むきせざるを得ず マダラに光っちゃってます。半世紀物、お預かりした状態が程度極悪、コレがPitroadレストアの限界、ご了承下さい
バックS/W メクラ栓 メーターケーブル メクラ栓 新品ブリーダーパイプ
↓ 何をやってるのか? 60型ローバック5速シフトフィーリングに近づけるための加工を行ってます。直結5速は 何はともあれバックと1速の誤シフトを防ぎたく シフトレバーこっちに来るんじゃあねぇ!とリターンS/PをWにし強力にニュートラルの位置に押し戻してる のはイイんですが、4速−5速側にシフトレバーを倒し ニュートラルに戻そうとする力はリターンS/Pでは無くフロアーに付くシフトレバーブーツと言うお粗末さ。日産もやはりコレじゃあマズイだろう?56型の後継モデル60型からは 他の普通のミッション同様、シフトレバーを左側に倒しても、右側に倒してもスプリングの力でニュートラルの位置に戻るよう改善、この60型を真似た加工です。
まぁ・・・この加工をしたからと言って オー!シフトフィーリング良くなったネ♪には成りません、良くなる加工では無く 普通になるだけの加工ですから、でも 理には叶ってる加工・改造です。溶接でガイドに高熱が加わります、ガイドを脱着しOリング&OILシール交換するから出来る加工、ほとんどのメカが見て見ぬふりする56Aガイド脱着、56A専門店Pitroadは 他とはちょっと一味違うぞ!を レポートUPし アピールする スタンドプレーでもあります(笑)
OILシール交換 60型ローバックシフトフィーリングに近すけるためのストライキングガイド加工


パーツを1ツも残さず取り外しリヤケースのみにした。何にも付いてないので掃除楽チン このままサンドブラストも掛けられます。レストアが本職では無いのであまり得意では無いしコストパフォーマンスからしても あまり時間は掛けられない。Pitroadのミッション レストアのウリは この全てのパーツの脱着であり オーバーホールに不随する作業のため安価。レストア専門店のような新品より綺麗に見える 気持ち悪い?綺麗さにはなりません
リヤEXテンション ニードルベアリング交換
臼井が せっかくの新規製作だから ド〜せならベアリング全部新品がイイなぁ〜 などと面倒臭ぇ事言うから殴ったろうかと思ったが 殴り返されそうなのでやめときました(笑) コレは冗談で このベアリングを交換する事はまず無く、ほとんどの56Aは新車からのままだろうから 新規制作やフルオーバーホールの時は 遊び心で 50年間ご苦労様と替えてます。同じく とっくの昔に生産廃止のリバースアイドルギヤベアリングも 56A専門店なので常に在庫してるので交換。 コレで全てのベアリングがオール新品!気分良くPitroadクロスレシオスパーギヤを末永く愛して行って下さい
ストライキングレバー取り外し
56Aの中で一番やりたく無い作業がコレ。まだ新品が入手出来た当時は何てことなかった、外れなければ半日も丸1日も格闘する必要は無く破壊すりゃあよかった、部品代なんか たかが数千円だったしネ。部品入手不可な今は壊しちゃったら大変! 直結5速 丸ごと買って来なくてはならないのが現実、今だとゴミ直5でも20万か? 申し訳ありません外す時壊しちゃったのでO/H出来ませんので返却します、って訳には行かねぇモンな? 部品が無い所に追い打ちをかけ、ココ数十年の間にヘボプライベーターがストライキングレバー止めるロックピンいじくり廻してるのに巡り合ったらもう大変!!!
今回も何とか外れた、ココだけの工賃25.000円、私からすると工賃と言うより弁償する時の保険料徴収のようなモン、激安と思うか?激高と思うか?は依頼者しだい。ココだけやってくれメールが後を絶たない、ズルイぞお前ぇら、ココだけの依頼なんて絶てぇーやらねぇからナ(笑)
リヤEXテンション フルオーバーホール
臼井よう、お前ぇが連れて来たブス(56A) 見た目悪いけど心はキレイそうだヨ。人は見かけによらない なんてのは漫画の世界だけで、人はみかけ通りだヨ が私の見解なんだけど この娘(56A)は イイ娘っぽい

本体完成
う〜ん・・・カッチョイイ(^^♪(^^♪(^^♪
私の手前みそじゃあ無いよね? 本当に格好イイよね? もっと綺麗に撮れるようデジカメ買い替えようかと思ってるモン(笑) 格好良いのは見た目だけで無く そうそうたるメンバーが使ってくれてるからは認識してるつもり。装着しちゃえば見えなくなっちゃうミッション、誰が?どのマシンに?Pitroadスパーギヤが付いてるか分からないんじゃあーポツリポツリとしか売れねぇよな?大企業じゃあ無い ト〜ちゃん カ〜ちゃんでやってるPitroadはそれじゃあやってけないので考えたのが超反則技のレポートUP。レース界では絶対やっちゃあいけない事は分かってるが背に腹は代えられないので決行。『Pitroadサン ウチのはUPしないでネ』続出ですぐに幕引きだろう?覚悟の上だったが ただの1人からも言われる事なく今に至ります。今では あのページに載るのがTSサニー乗りのステータスですよネ と よく言われる、お世辞言ってくれてるんだろうが この逆を覚悟してた私にとっては お世辞だとしても ウ・レ・シ・イ・


1速ワーナーシンクロkit / 2.1スーパーローギヤset
シフトの入り重視は2速と3速、ついつい1速は マァ・・・イイか?に成りがちだが 1速ほどワーナーシンクロに変更し気分良くシフトしてほしい。レーシングカーとは言え箱車、マシン積載、パドック移動、その他 1速使用頻度は高い。ワーナーシンクロがギヤ抜け防止に役立つのはご存じだろうか? 56A標準サーボシンクロの欠点にシフトフォーク摩耗が上げられる、2nd← →3rd or 4th← →5thフォークはまだ日産純正部品が出るが 1st← →Rフォークは既に生産廃止、1st← →Rフォーク摩耗によるシフト抜けに悩まされているTSドライバーは多い。自分のがシフト抜けしないと他人事だが、転ばぬ先の杖、確保がお勧め。Pitroadでワーナーシンクロ化したドライバーは1速ワーナーシンクロ導入に抵抗は無い、TSドライバーのほとんどが諦めてる56Aの入りずらいを通り越した醜いリバースシフト!Pitroadユーザーは全員 バックもう少しド〜にか成んないですかね?と甘ったれて来る(笑) イイ事だよネ、グニャグニャ・クタンクタンがカチッと普通にシフト出来るようになると、今まで こんなモンだろう?で諦めてたのが もっと良くしたくなるのが人間。臼井選手は56Aクロス 5〜6基? もっと持ってる? 全部ワーナーシンクロ、1速ワーナーシンクロは今回で2基目
初めてTSサニーに56Aワーナーシンクロ搭載した2010年、#17臼井自動車サニーはコースINしてすぐシフトが入りっぱなしで抜けなくなり予選最下位、2度とワーナーシンクロを搭載する事は無いだろうし、付き合いもコレで終わったな と あの時は思ったんですけどネ、、、
2.1スーパーローのカウンターギヤは外径が大きくセンタープレートを貫通しませんので加工を要します。当時物2.1ヘリカルギヤであれば少し穴拡大すればクリアーできるが、2.1スパーギヤの方は↑上記のような加工になります。初めて行う人は苦労すると思うが5〜6枚やれば慣れます。チェックボール通路を60型と同じようにOIL供給穴新設。56Aの後継モデル60L or 60Aは56Aの欠点を補う進化が随所に見られます。56Aでは固定されておらずスライドしてしまうメンドラB/g、メインB/g、4速メインギヤなどは60型と同じよう固定し動かないようにしたいし、シフトフィーリングを左右するストライキングガイド加工も60型を真似てるが もう少し進化させたい、その他 細かい所も60を見習い採用中。昔のままでも用は果たすが Pitroadで組み上げてもらうと ちょっと違うんだヨ♪にしたい。今 PitroadへのTSサニー用56Aはプロからの依頼がほとんど、臼井選手も56Aオーバーホールは出来る。プロ達に やって出来ない事はないが コレに時間費やしてるなら外注依頼した方がお得と思われないとPitroadの存在価値は無いでしょうからネ。Pitroadも外注依頼は多いです、自分の所ではコストパフォーマンスが合わないのを外注依頼し、得意で採算のとれるものを自社で行うのはビジネスとして当たり前の事ですモンね


仮り組み
まずは新たに納品されたロッドとSPL2速ギヤがちゃんとマッチするか?のチェックを ユルユルで脱着が楽なノーマルセンタープレートに仮り組みして行います。大丈夫です SPL2速ギヤ スムーズに回ります。ココを見ている人達からすれば当たり前の事のように見えるでしょうが 結構バラ付きが有り スパーギヤ購入して頂いた少数の方達にご迷惑を掛おけしてから 可能な限りチェックしての納品を心がけてる。バラ付きはスパーギヤのみならず他社製品にも見られ、日産純正部品にも有ります。ワーナーシンクロkitの構成部品、ハブとスリーブは日産純正部品ですが 新品なのにハブにスリーブが入らない事が2度ありました。職人が1個々手作りしてる訳じゃああるまいし、と、ジーっと眺めながら、コ〜ユ〜のは当たり前で、チェックし 不良品は捨て 良品のみ納品の所 チェックを怠ったんでしょうネ? なので臼井選手からはオール新品のリクエストでしたが、私から要望し ハブとスリーブは中古を使わせてもらいました。

メインシャフト レストア。汚れて錆も出てたのが綺麗になったでしょう? 綺麗好きな臼井サンだからやってるのでは無く このようにレポートUPしてる依頼者のは全部やってます。TSオーナーだけで無く ストリートチューンユーザーのもレポートUP希望者のは行ってます。レポートUP無しはやりません。レストアなどせず 普通の洗浄しとけば十分、性能には一切関係ありませんからネ。せっかくのレポートUP、ただ普通にオーバーホールしても面白く無いですよね? 見ている人達が、バカだねぇ よくヤルよ そんな事したって変わりゃあしねぇヨ と 楽しんで頂ければと、無駄?で楽しい?事は 多くの人が見てくれるから出来るのであって、レポートUPせず オーナーの目にさえ触れずに終える作業に、無駄?楽しい?遊び心は 盛り込めないです


コーン圧入、仮り組み準備OK。ズラ〜っと並べた新品ギヤ眺め カッチョイイ♪と思う私は変態でしょうか?
ハブ&スリーブ レストア。キー3ケx2とS/P2ケx2を新品に交換。キーとスプリングは新車から廃車まで一生物ですから代えなくても大丈夫なんですが1台分たかが960円 スライドする部分ですし 一応摩耗してますから気分の問題で代えときます。その他の部品も同じ理由で 新規製作の場合はベアリング類を筆頭に全てのパーツをオール新品に替えてます。大丈夫とは言っても56Aは半世紀物、いつ交換したのか分からない状態で使ってるより 気分優先って事です。途中のオーバーホールは再使用可能な部品は再使用してます。


ギヤ比
. 1st 2nd 3rd 4th 5th
Pitroadクロス . 2.173 1.630 1.398 1.181 1.000
Opt'クロス . 2.676 1.691 1.398 1.181 1.000
. 2.800 2.600 2.400 2.200 2.000 1.800 1.600 1.400 1.200 1.000
ギヤ比を数値で言われてもピンと来ないだろうが この表は解り易いだろ? いつもギヤ比の重要性はレポートで解説して来たが、ココのページで強調したいのは当時のOpt'クロスの1速ギヤと2速ギヤは純正のままのノーマルだって事。この表を見ればOpt'クロスの1速← →2速がこんなに離れててイイ訳が無いのはサルでも解るよな? 2速も1.691→1.630がクロスギヤとして当たり前の数値です。Opt'クロスがリリースされた昭和47年の富士スピードウェイは まだ30度バンクを使用、最終コーナーを5速で立ち上がり そのまま30度バンク&後の第1コーナーに突入してた。シケインも無くヘアピンも何だったら3速でも周れたから 1速、2速なんてド〜でもイイ オマケのギヤだった。エフワン開催を視野に入れた現在の富士スピードウェイはストップ&ゴーレイアウトに変貌、1速、2速を多用する今の富士スピードウェイをPitroadクロスレシオスパーギヤで攻めタイムアップに繋げて下さい


新品スパーギヤ2.1スーパーロー + ワーナーシンクロ
↑ 上が 丸目#17サニーとピッタリ同仕様、↓ 下がギヤ比は同じだが 1st← →R シフトが渋くなる確率の高い仕様。 ↑上を買えとはPitroadからは言えない、1速ワーナーシンクロフィーリングを熟知してるのは臼井選手ですのでワーナーvsサーボ選択は臼井選手の自由。標準サーボシンクロの半世紀物ハブ&スリーブで大丈夫だろう?の判断を下すのも臼井選手。
Pitroadは このレポートUPを利用し、物は有ります、クライアントの指示どうりの物を装着し納品致します、後はしりません、とズルイ?(笑) 提示しときます

当時物2.1スーパーロー + サーボシンクロ

コーン取り外し
1st & 2nd 煮込み 1st & 2nd のコーン外し 1st〜4th プレス抜き 1st〜4thワーナーシンクロkit
直結5速ミッションのシンクロ機構はサーボ、それをワーナーシンクロに変更するため60型4速ミッションから部品取りします。作業工程を楽しんでもらう、説明する、と言うより、こんなに面倒で大変なんだから安価では受け賜れませんヨ、を理解してもらうUPです。 部品どりとして使うのはハブ+スリーブx2とコーンx4の計6点。ギヤに圧入されているコーン分離の4速と3速はプーラーが掛かるので簡単だが、2速と1速はちょっと面倒。コジって隙間を広げる前ににコーンを欠かぬようヤカンに入れ沸騰させます。 コレを見ただけでクルマ屋ほど ウッ!嫌だ!やりたく無い!に成るよな?(笑) そう・・・整備技術じゃあ無ぇんだヨ、クルマ屋にとって とても精神的に苦痛な作業なのです(笑) 部品取りした6点を新品部品に換算すると44.840円、コレに工賃が10.000円とすると34.840円のお得?ミッション丸ごと持ち込み工賃が20.000とすると24.840円浮いた事になる、なので中古ミッションを1〜2万円で買って来ての持ち込み依頼だと新品キットの方が良いのは理解出来るよな?ウチは出来るだけこのように金額提示して解りやすいよう説明してるつもりだが、そ〜すると コレを見たズルイ奴?が 組み込みは楽しみながら自分でやりたいが、面倒なトコだけ この激安価格でやってくれ、って来るんだヨ。年配者はオーバーホール依頼に付随する作業だから 単品作業じゃあ全く採算の合わないアホ価格でやってくれてんだナ、を分かってくれるが、分かってるくせにズルイ事言って来る奴が多いので、五月蠅ぇ 怖い 嫌なオヤジに成っちゃうのです(笑)
60型4速は このように6点部品取りできワーナーシンクロ化出来ますが、56型4速は 4速(メンドラ)コーンがクロスギヤには使えませんので 別途 新品コーン8.000円の出費が必要です。

2021.07.11 入庫



Opt'クロスをワーナーシンクロ仕様
2021.02.15